いつでも「いい肉」に出会える店であるために。こだわり続ける鮮度の話。


こんにちは。
飛騨牛をメインに取り扱う
食肉のプロ集団養老ミートです。

今回は、安定していいお肉を提供するために私たちがこだわっている鮮度についてご紹介します。語り手はよっち専務こと、専務の田中です。

職人技 × 体制づくりで即日出荷を可能に 

養老ミートでは、一頭買いで仕入れた牛の肉を出荷日の午前中にカットし、午後から箱詰めを行い、夕方には出荷しています。仕入れから加工、販売までを自社で完結できるお店はそう多くありません。切りたての肉を届けられる体制は美味しさの面での満足に繋がりますし、他のお店の同価格帯と比較してワンランク上の商品を提供できる点においても重要です。

いつ行っても同じクオリティのお肉が手に入るというのは、実はとても難しいことで、日によってお肉の質に差が出てしまうお店は意外と多いように思います。養老ミートでは、県内屈指を誇る1日30t以上の肉を安定的に出荷するために、出荷量を一週間単位で管理し、加工作業ができる職人を50名以上確保しています。

鮮度を保ち、質の高いお肉を提供し続けるためには、個の力と体制づくりの両面が必要なのです。 

    すべては、生きた牛の一頭買いから始まる

    ほとんどの業者は切った肉の断面で肉質を判断してから仕入れます。生きた牛の目利きは誰にでもできるものではなく、期待した結果にならない危険性が常に伴います。ではなぜ養老ミートが一頭買いをするのか。それは、鮮度にこだわっているからです。先ほど説明した即日出荷の体制は、一頭買いによって成り立っています。ここは、専務である僕の手にかかっている領域です。

    生きた牛の良し悪しを判断する際に最も重要なのは、手で触ったときの感触です。部位でいうとサーロインと呼ばれる牛の背中の部分や、脚の付け根の感触で判断します。良い牛は絹ごし豆腐のようなふっくらとした質感で、厚みがあってしっかりと手に乗りますが、良くない牛はペラペラしていて掴むところがありません。一番違いがわかる点です。パッと見て良さそうに思えても、手で触った感触が悪ければ買いません。

    それ以外では、牛の目や毛並みを見ます。毛並みはツヤツヤしている方が良いように思われますが、実は少し乾燥しているくらいがベストです。業界用語では「枯れている」と言います。

    ネガティブに聞こえるかもしれませんが、上質な肉に見られるサシが入るためには、体内のビタミン欠乏はある程度避けられません。そのため、毛並みが枯れたりしっぽの毛が短く切れている牛は、品質が高い傾向にあると言えます。

    以上のようなポイントを踏まえて生きた状態で牛の良し悪しを判断し、切ったあとの肉質と答え合わせを繰り返すことで、目利きの精度を上げています。鮮度にこだわる上で、欠かせない技術です。